園部城を題材にした自作の版画を手にする吉田さん(南丹市園部町)

園部城を題材にした自作の版画を手にする吉田さん(南丹市園部町)

 若手の版画作家として注目されている京都府南丹市園部町の園部中3年、吉田悠太さん(14)が、「日本最後の城」である園部城を題材にした作品を完成させた。「園部の魅力を伝えるために、自分に何かできないか」と思い、地元の事物を初めて版画にした。

 小学5年生の時に葛飾北斎の浮世絵「神奈川沖浪裏」を見たのをきっかけに彫刻刀を握るようになった。若い才能を長期的にサポートする東京大などのプロジェクトに参加しており、2019年には都内で個展を開いた。

 作品を店に飾っている地元の老舗日本料理店が「園部の良さの発信に力を貸してほしい」と依頼。園部の顔とも言える園部城を題材にしようと決めた。

 園部高に残る門を撮影した写真を元にしながら、細かな表現ができる堅い木を用いて制作。瓦の表現に気を遣いながら、10日間程度で仕上げた。

 浮世絵などがこれまでの主な題材で、地元の遺構を版画にするのは新たな挑戦だった。吉田さんは「思ったよりもよくできた。地元の人に喜んでもらえる作品ができ、今までとはひと味違ううれしさがある」と話す。自身としても、作品作りを通じて園部の魅力の一端を知る機会になったという。

 料理店関係者の尽力で、刷り上げた版画は同町内の美容院や写真館などに配布。今後、市外にも置いて、多くの人の目に触れるようにする。