出版社側が作成したとみられる資料。元警視が執筆者名義として用いた疑いのある「近畿法規研究会」の記載がある

出版社側が作成したとみられる資料。元警視が執筆者名義として用いた疑いのある「近畿法規研究会」の記載がある

 京都府警の元警視が現役時代、昇任試験の対策問題集を出版する「EDU―COM」(エデュコム、東京)の依頼を受け、「南謙三」の偽名で問題や解答を執筆して現金計約500万円を受け取っていたとされる問題で、元警視が偽名だけでなく、「近畿法規研究会」の団体名義も使い、同様に計約300万円を受領していた疑いのあることが20日、関係者などへの取材で分かった。

 公務員の兼業は原則禁止されており、元警視が実名を伏せて活動を続けていた可能性がある。エデュコムから府警警察官に支払われた総額の約8割を、元警視が受領したことになるが、元警視は「そんなことは知らない」と疑惑を否定している。

 エデュコム社側が作成した資料には、「近畿法規研究会」が2015~17年、約100回にわたって執筆し、計296万円を受け取っていたことが示されていた。資料の中に、元警視が近畿法規研究会の名義を使用していたことをうかがわせるデータがあった。

 元警視は「南謙三」の偽名で現金を受領していた疑惑が明らかになっており、「南謙三」と「近畿法規研究会」の両名義を合わせると、12年6月以降の約4年8カ月間、計約250回にわたって執筆と現金受領を繰り返していたことになる。

 元警視は昨年12月、複数の女性警察官にセクハラ行為をしたとして減給の懲戒処分を受け、すでに退職している。

 元警視は京都新聞の取材に「執筆していないし、『南謙三』も『近畿法規研究会』も知らない」と話している。