「冷かけ」という、うどんの食べ方がある。その名の通り、かけうどんの冷たいの、だ。僕はとにかく冷かけうどんが大好きだ。ハンバーグよりは全然上で、かけそばと同じくらい、餃子とはいい勝負、ぐらいに大好きだ。

 僕が初めて冷かけうどんに出会ったのは烏丸御池にある「いきいきうどん」というお店だった。忘れもしないあれは大学3回生になったばかりの頃、サークルの先輩から譲ってもらった原付バイクに乗るのが楽しくて仕方がなかった僕は、夜な夜なピザ屋のバイト終わりにボロボロの愛車にまたがって岩倉の山の上から未だ見ぬ美味しいお店を目指して京都市中を駆け巡っていた。

 妙に暖かい春だったし、念願だったバンドを組んだばかりだったこともあってやけに浮ついた日々だった。そんなある日、噂に聞いていた二条駅前の天下一品で豚しゃぶ定食を食べて大満足で帰路についた時、信号待ちの間にふと目に入ってなぜか無性に気になったのがいきいきうどんだった。

 すでにお腹はいっぱいだった僕は、とりあえず試しにと思い、一番安かったかけうどんの小を食べてみるか、と注文を伝えると、店員さんは僕に「温かいのと冷たいの、どちらにしますか?」と聞いてきたのだ。来週に続きます。