彦根城の御城印。左は通常版。右は夜間特別公開版で来城者特典として配布した非売品。後ろは天守=彦根市金亀町・同城

彦根城の御城印。左は通常版。右は夜間特別公開版で来城者特典として配布した非売品。後ろは天守=彦根市金亀町・同城

 全国の城が独自に発行する「御城印(ごじょういん)」が人気を集めている。滋賀県内でも彦根城をはじめ続々と発行。知名度が低かった山城にも全国から城郭ファンが訪れるなど、観光や地域活性化の新たな力になっている。

 「1日で800枚発行した日も。御城印は昨年から関心が急激に高まっています」。彦根市の委託で彦根城を管理する近畿日本ツーリストの松岡一隆統括マネージャー(50)は反響の大きさに驚く。3年前から発行し、今年のシルバーウイーク(9月19~22日)も1200枚を販売した。

 御城印は、寺社を参拝し、神仏との縁ができた証としてもらう「御朱印」と異なり、城を訪れた際の手軽な記念品。ルーツは松本城(長野県)が1990年代初めに出した登閣記念証とされ、近年、全国各地で発行されるようになった。滋賀県内では佐和山城(彦根市)、八幡山城(近江八幡市)、水口岡山城(甲賀市)など15ほどの城の御城印があり、現地や観光施設で1枚200~300円で販売されている。

 彦根城の御城印は、市職員が御朱印に着想を得て製作した。現在は、城主だった井伊家の「赤備え」をほうふつとさせる真っ赤な台紙に、同家の家紋と旗印「井桁(いげた)」をあしらっている。城の歴史を踏まえた意匠で、夜間特別公開などイベント時には限定版も非売品で発行。リピーターも生み出している。「城のイメージアップにもつながっています」(松岡マネージャー)

 御城印はマイナーな山城にも光を当てている。三雲城(湖南市吉永)は昨年11月に発売し、1年弱で1300枚売れた。インターネットで紹介され、今では東海・北陸・近畿を中心に全国から城郭ファンが訪れる。「15年前までは地元ですら知られていなかった城が一気に注目されるようになった」。城を生かした地域活性化に取り組む住民団体「吉永の里山と文化財を守る会」の園部俊治会長(70)は手応えを感じている。