トランプ米大統領は就任後、ホワイトハウスの寝室のテレビを3台に増やした。毎晩、テレビを見ながらマクドナルドのチーズバーガーをかじり、友人に電話をかけまくる▼米国のジャーナリスト、マイケル・ウォルフ氏の著書「炎と怒り」(早川書房)の一節である。トランプ氏と取り巻きの「生態」を実名で詳細に描いている▼「盛っていないか」と思う生々しさだが、記述内容を点検した弁護士ら5人の名前を巻末に記しているから、作品の品質は保証済みだ。米国のジャーナリズムは実名報道がいまも徹底している▼興味深いのは、大統領や周辺が名前を出して話すのをあまり気にしないことだ。首相側近が「問題意識」と称して官庁に圧力をかけても、なかなか表ざたにならない国とはずいぶん様子が違う▼そのトランプ氏が「日本の安倍晋三首相がノーベル平和賞に推薦してくれた」と実名をばらしてしまった。側近が次々と離反するなか、心底うれしかったのではないか。「シンゾーだけは俺を評価してくれる」と▼ところで、安倍首相がトランプ氏を推薦した理由は北朝鮮との緊張緩和という。それが本当なら、高価な米国製の兵器をたくさん買う必要はあるまい。ご機嫌取って、その上高い買い物までして。安倍首相、人がよすぎやしませんか。