大隈重信が愛用し、堀部久太郎に贈ったとされる山高帽(滋賀県彦根市・開国記念館)

大隈重信が愛用し、堀部久太郎に贈ったとされる山高帽(滋賀県彦根市・開国記念館)

帽子を贈られた経緯を記した堀部久太郎の記録文(滋賀県彦根市・開国記念館)

帽子を贈られた経緯を記した堀部久太郎の記録文(滋賀県彦根市・開国記念館)

明治期に取り壊されそうになった彦根城の保存を進言したとされる元首相で早稲田大創立者の大隈重信(1838~1922年)愛用の山高帽が、滋賀県彦根市金亀町の開国記念館で初公開されている。彦根城のあまり知られていない歴史をPRし、世界遺産登録への機運を高める狙いで、所蔵する彦根市図書館が公開した。

 山高帽は高さ13センチ、直径最大31センチ。焦げ茶色のフェルト状素材で普段着用とみられる。大隈の後援会員を務めるなど親交のあった元彦根町長・堀部久太郎の記録文によると、堀部が1917(大正6)年の衆院選に出馬した際に大隈から譲り受けた。当選はできなかったが「大隈が本好きだったため、図書館に寄贈する」と記している。

 大隈は彦根と縁が深いことで知られる。明治初期、陸軍省は当時管轄していた彦根城の取り壊しを決定。天守も解体の危機にあったが、明治天皇の巡幸に随行していた大隈が彦根を訪れた際、天皇に保存を懇願して残されたと伝わる。

 帽子のほか、堀部の記録文や当時の天守の写真も展示している。市文化財課は「大隈の進言がなければ彦根城はなくなったかもしれない。裏話を知るとより城の観光を楽しめるはず」とする。30日まで。無料。