護法童子立像(右)の胎内から見つかった金色の不動明王像=大津市・延暦寺

護法童子立像(右)の胎内から見つかった金色の不動明王像=大津市・延暦寺

胎内から見つかった金色に輝く不動明王像(16日、大津市・延暦寺)

胎内から見つかった金色に輝く不動明王像(16日、大津市・延暦寺)

 天台宗総本山・延暦寺(大津市)所蔵の護法童子立像の内部から金色の不動明王像が見つかり、同寺が16日、発表した。現存する木像の護法童子像は全国的に見ても例が少なく、専門家は「護法童子像の胎内に不動明王像が納められた事例は他にないのでは」としている。

 護法童子像は高僧や行者が使役した神霊をかたどった像。延暦寺の護法童子像は江戸時代に東塔南谷にあった護法堂の本尊として伝わり、その後、1970年代まで近くの西尊院に安置されていた。天台回峰行を守る護法神「葛川(かつらがわ)護法」を表したとの説などがあり、慶派仏師による作の可能性もあるという。大津市歴史博物館によると、護法童子は掛け軸などに描かれた姿はあるが、木像として伝わっている事例は珍しい。

 頭部の内側に固定されていた金色の不動明王像は高さ約10センチ。銅製の像に鍍金(ときん)や金泥彩を施しており、作風や銅の成分から鎌倉時代の作と推定される。園城寺(三井寺)に伝わる黄不動尊立像とは様相が異なるといい、同博物館の寺島典人学芸員は「こうした姿の金色不動は現時点では知られていないのでは」と話す。

 天台回峰行は行者自身が生き身の不動明王になるともいい、護法童子像の内部に不動明王像が納められていることについて、延暦寺管理部の武円超主事は「当時の有力者が回峰行者への信仰を込めて寄進した可能性もある」と話す。

 護法童子像の内部からは水晶製の舎利容器や和紙に捺(お)された「印仏」なども見つかっており、延暦寺国宝殿で17日から始まる秋季企画展「比叡山の不動明王」で合わせて展示する。12月6日まで。有料。