京都市役所(京都市中京区)

京都市役所(京都市中京区)

 京都市は、自衛官募集に協力するため、来年度に18歳と22歳になる市民約2万8千人分の宛名シールを作成し、近く自衛隊に提供するとしていた判断を一部変更し、個人情報の利用停止請求を行った市民については、提供対象から除外する方針を固めた。市民団体などから反発の声が上がっていた。

 利用停止請求は、市が個人情報保護条例に違反して個人情報を提供する場合に、市民が提供停止を求めることができる制度。

 市は「提供行為は条例違反ではなく、請求要件は満たしていない」とする一方で、自衛隊入隊の意思がない人の情報を提供しても自衛官の人手不足の解消にはつながらないことから、請求した人については提供する宛名シールの一覧から除外するとしている。

 市は20日にこの考えをホームページに掲載し、中京区の市役所情報公開コーナーで受け付けを始めた。21日までに左京区の高校2年の女性(17)ら2人が請求したという。

 本人確認を徹底するため、請求は窓口に出向く必要がある。電話では受け付けず、遠方に住んでいる人の対応ついては「郵送を認めるかは個別に判断する」としている。

 これに対し、市民団体「わたしの個人情報を守って!市民の会」は、「基本的には提供方針そのものを撤回すべき」とした上で、「情報提供から除外するにしても、高校生や大学生が平日に市役所に行くのは難しい。インターネットや電話での受付など他の方法も考えるべきだ」と話す。

 市は自衛隊への提供時期については、当初1月中としていたが、提供を拒否することができることを市民に周知するための期間が必要なため、現在は「未定」としている。

 自衛官募集に関する自治体の協力のあり方を巡っては、安倍晋三首相が10日の自民党大会の総裁あいさつで「(自治体の)6割以上が協力を拒否している」と主張した。しかし、住民基本台帳の閲覧を含めると市区町村の約9割が名簿作成に何らかの協力をしており、与党の一部や野党、自治体などから反発や疑問の声が上がっている。