伊吹山のヒメボタルを題材にした新作狂言の稽古に励む(左から)千之丞さん、茂さん、逸平さん=京都市上京区

伊吹山のヒメボタルを題材にした新作狂言の稽古に励む(左から)千之丞さん、茂さん、逸平さん=京都市上京区

 京都の狂言師・茂山千五郎家が、滋賀県の最高峰・伊吹山(米原市)に生息するヒメボタルを題材にした新作狂言をつくった。昨年末に襲名した童司(どうじ)改め三世茂山千之丞(せんのじょう)さん(35)が作・演出を手掛け、軽妙な“ご当地狂言”に仕上げた。守山市で17日に初演し、湖国を巡演する。

 伊吹山のヒメボタルは、標高1377メートルの山頂一帯の高山植物をすみかに生息。7月ごろに光を放つ。

 新作狂言「HOTAL・HOTEL」は、伊吹山に薬草刈りに出掛けた男が、間違ってトリカブトを食べて卒倒し、女主人のいる宿で助けられるが…という物語。女主人が、実は恋に破れたヒメボタルという設定で、「ほ、ほ、ほたるこい」と童謡を歌いながら男に迫る。ヒメボタルの生態などを話に盛り込んだ。

 能の「黒塚」をパロディーに「女性的なしっとりした雰囲気」(千之丞さん)も演出しつつ、「初心者でも何も考えずに笑ってもらえる話にし、難しく考えがちな古典芸能を映画を見に行くような気分で楽しんでいただければ」と狙う。女主人役を茂山茂さん(43)、薬草刈りの男を茂山逸平さん(39)が務め、千之丞さんも出演する。

 フナずしや甲賀忍者など湖国名物を題材に、新作狂言を2011年から作っているシリーズ「おうみ狂言図鑑」の一環。かつて彦根藩に仕えた茂山家と滋賀県内のホールが共同製作し、狂言や湖国の魅力を県内外で発信している。

 今後の公演は、東近江市てんびんの里文化学習センターで23日、米原市の伊吹薬草の里文化センターで3月2日。いずれも午後2時開演。新作以外に古典の人気狂言を2演目ずつ披露する。有料。詳しくは事務局のびわ湖芸術文化財団077(523)7146。