傷病手当金などの適用を国に要請する音楽家ユニオンや俳優連合などの代表者たち(東京都内)

傷病手当金などの適用を国に要請する音楽家ユニオンや俳優連合などの代表者たち(東京都内)

 出版や放送、映画・演劇、音楽などの分野で働くフリーランス(個人事業主)の労働組合や団体が19日、厚生労働省に対し、雇用労働者を対象とする新型コロナウイルス感染防止対策の制度をフリーランスにも適用するよう要請した。

 東京・永田町で開かれた両者の意見交換の場で行われた。日本俳優連合やユニオン出版ネッツ、音楽家ユニオンなどが参加する日本マスコミ文化情報労組会議の代表者が出席した。

 要請は、企業倒産の際に未払い報酬を国が立て替える制度と、ウイルスに感染した場合に国民健康保険から支給される傷病手当金制度をフリーランスにも適用を広げるべきとした。

 意見交換では、発注者からの委託報酬で生計を立てている「雇用類似」が焦点となった。出版ネッツ代表の杉村和美さんは「契約書などがない雇用類似のフリーランスが、発注者に夜逃げされ困っている事例がある。立て替え払い制度の適用を受けるにはどうすればいいのか」と問題提起。

 厚労省の担当者は「フリーだからと門前払いせず、実質的な雇用関係があるかどうか調査はしっかりする」としたが、「労働者性」が証明できない場合の救済策は「制度がない」と述べるにとどまった。

 傷病手当金制度については、個人事業主にも給付する自治体があることを踏まえ、国からの財政支援が必要と団体側が指摘。厚労省は自治体の実務負担の増大や支給基準が難しいとして明確な答えを避けた。

 音楽家や落語家らは「PCR検査を受けたくても、陽性だと生活できなくなるから多くのフリーが困っている。傷病手当金は生活保障と感染防止の両面で重要」と訴えた。各団体は「いずれの制度も『コロナ特例』が必要」と強調。政府内で改めて前向きに取り組むよう求めた。