漆を使った作品修復への思いを語る河井さん(京都市北区・旧堂本印象邸)

漆を使った作品修復への思いを語る河井さん(京都市北区・旧堂本印象邸)

 旧堂本印象邸(京都市北区)で21日、京都などを拠点に活躍する漆修復家・河井菜摘さんの講演会があった。隣接する府立堂本印象美術館で開催中の展覧会「漆軒と印象」(京都新聞など主催)に出品されている印象の兄で漆芸家堂本漆軒の代表作を修復した経緯や、修復の仕事について話した。

 河井さんは京都市立芸術大で漆工を学んだのち、同市産業技術研究所で修復技術を磨いた。美術工芸品のほか日常使いのうつわまで幅広く手がけている。同展では・漆軒の「鉄線蒔絵(まきえ)飾棚」の修復にあたった。

 「継ぐ、ものがたり」をテーマに、「共直し」や「金継ぎ」といった漆を使って復元する技法を紹介しながら、「こわれたもの一つ一つに物語がある。所有者の思いがつながるように心がけている」と仕事への思いを語った。

 漆軒作品については「どれも力のあるものばかりで技術もセンスも優れている。兄弟で影響しあっていたのだろう。もっと注目されてもいい作家だ」と魅力を述べた。