南丹市役所

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 水道工事の入札に合わせて京都府南丹市が作った設計書に労務単価や資材費に関する入力の漏れやミスが相次ぎ、4件の工事で開札を取りやめたことが分かった。市は、問題の背景に技術職の不足や技術継承の不十分さがあると分析、改善を急ぐ。

 市の上水道課や監理課によると、同市八木町の配管の取り換えや、亀岡市から受水するための工事などでミスが見つかった。

 入札前に、市は設計書を公表。図面や、どんな資材をどれほど使うかなどを示す。業者は、設計書を基に工事費用を算出し、非公表の最低制限価格を推測しながら入札する。

 4件の工事の設計書に労務単価の記入漏れや資材数量の設定ミスなどがあった。設計システムの操作ミスなどが原因とみられる。

 8月末と9月上旬に予定した開札は中止し、10月中旬に改めて実施。4件とも着工は遅れるが、年度内には完成する見通しという。ただ中止により、業者は工事費の再計算を迫られ、新たな経費が発生した。新型コロナウイルス禍で苦境にある業者からは苦言が寄せられたという。

 異例の事態に市上下水道部の森雅克部長は「申し訳ない」と陳謝。設計書に誤りがないかを調べるチェックシートを導入した。

 市は、技術職の不足が問題を招いた一因とみる。水道や土木などに携わる技術職は10年間で45人から41人に減少。応募者が少ない上に内定者が民間に流れる例も多い。市は経験者を採用する際の年齢上限を35歳から40歳に緩和し、地元学生の勧誘も強化して、人員確保に取り組む。

 山内守副市長は「技術を継承する上での重要点をマニュアル化するなど、時代に即した手法を考えたい」と強調する。

 個々のスキルアップも急務。技術向上に役立つ資格を取得するために必要な経費の支援も「今後の検討課題」とする。山内副市長は「同じ失敗を繰り返さないようにする」と話した。