京都市伏見区内を流れる鴨川運河を見つめる会議メンバー

京都市伏見区内を流れる鴨川運河を見つめる会議メンバー

 京都市伏見区などを流れる「鴨川運河」の施設群が2019年度に土木学会の選奨土木遺産に認定されたことを受け、同区の市民団体「鴨川運河会議」が運河のPRを進めている。「運河の歴史や役割を知り、大切にする機運が高まってほしい」と、認定記念の銘板を運河のほとりにある広場に設置した。

 鴨川運河は琵琶湖疏水のうち、川端通と冷泉通の交差点付近(左京区)から伏見区で濠川と合流するまでの全長約9キロの名称。1894(明治27)年に完成し、大津から京都を経て大阪につながる水運の一部を担った。

 選奨土木遺産は、学会が歴史的な土木構造物の保存に向け、2000年に設けた認定制度。鴨川運河は「橋梁などが群として存在する独特な景観を造り出している」点が評価された。

 同会議は15年に結成され、運河の風景を紹介する冊子の発行や、運河沿いのれんが敷き道路の保全を市に要望するといった活動を展開。銘板を置く広場を市が整備した際には、会議メンバーを含む高松橋ひろばづくりの会の意見で、運河にかかる高松橋が改修される前の親柱や欄干が移設された。認定を記念し、今年9月には講演会も開いた。

 鵜飼実幸代表(68)は運河の魅力について、明治期の土木技術を伝える構造物が残っていることを挙げる。宇治川から旧日本陸軍用地に引いた水道の鉄管やれんが造りのアーチなどが数多く見られるという。「まっすぐに伸びる水路にかかる橋が並ぶ眺めや、桜や紅葉の美しさも知ってもらいたい」と話している。