最盛期を迎え、ビワマスの親魚から採卵される紅色の卵(22日午後2時20分、滋賀県米原市上丹生・県醒井養鱒場)

最盛期を迎え、ビワマスの親魚から採卵される紅色の卵(22日午後2時20分、滋賀県米原市上丹生・県醒井養鱒場)

 滋賀県醒井養鱒場(米原市上丹生)で、「琵琶湖の宝石」と称される固有種ビワマスの養殖用の採卵がピークを迎えている。職員の手作業を通して新たな命を宿した紅色の卵は、丹精込めて育てられ、湖国を代表する美味に仕上げられる。

 作業2日目の22日、職員が成熟した1匹のメスの腹をかきだすと、約千粒もの卵がこぼれ落ちた。約40匹分の卵を一つの容器に集め、ゆっくりとかき混ぜながらオスの精子を掛けた。この日は計約25万粒を採卵。養鱒場では10月上旬から11月下旬にかけ、養殖用の約100万粒を採卵する。

 受精卵は約30日後にふ化する。体長4センチほどに育った稚魚は来春、県内の養殖業者10社に販売予定。一部は同場で飼育を続け、商品として出荷する。

 醒井養鱒場は1878(明治11)年設立の日本最古の養鱒場で、1979年にビワマスの完全養殖に成功した。養殖ビワマスは「びわサーモン」と呼ばれ、2~3年で体長約40センチほどに育ち、主に県内の飲食店向けに出荷される。昨年度の生産量は約7トン。岩﨑治臣場長は「ビワマスは琵琶湖の宝。年40トンの生産を目標に、家庭向けや県外にも販路を広げたい」と意気込んだ。