局所性ジストニアの症状を抱えながらも絵の制作に励む加藤木さん

局所性ジストニアの症状を抱えながらも絵の制作に励む加藤木さん

熊のぬいぐるみをモチーフにした絵が並ぶ会場(京都市東山区・集酉楽サカタニ)

熊のぬいぐるみをモチーフにした絵が並ぶ会場(京都市東山区・集酉楽サカタニ)

 筋肉が異常に緊張する病気のため、両手が思い通りに動かせなくなった女子学生の絵画作品展が、京都市東山区のギャラリーで開かれている。手描友禅を学ぶかたわら、描きためてきた。外見上は症状が分かりにくく、周囲の言葉に傷ついたこともあった。「目に見えない症状がある人もいると知ってほしい」との思いを込める。

 京都伝統工芸大学校(京都府南丹市)4年、加藤木あかねさん(22)=南丹市。京手描友禅を学びながら、「コグマ」の作家名で子どもの頃から好きだった熊のぬいぐるみをモチーフにアクリル画のイラストや店舗のPOP広告を描いている。

 1年の冬ごろ、授業中に筆が持ちにくくなった。翌年、神経疾患の「局所性ジストニア」と診断された。筆を握る手を右から左に替えるように訓練したが、すぐに左手にも同じ症状が現れた。

 外見上の変化はなく「痛くもかゆくもない」が、手先にうまく力が伝わらず、筆やペンが上手に握れない。授業では繊細な作業が求められ、もどかしい思いを重ねてきた。事情を知らない人から「(美術の)基本ができていない」「もっと大変な人はいる」などと言われ、心を痛めたこともある。

 医師からは手首への負担を減らすことで治る可能性を指摘されたが「ずっと絵を描いてきた。やめる選択肢はなかった」。今は手首より先を固定する器具を使うなど工夫しながら制作に打ち込む。

 個展を開いている東山区七条通本町西入ルの「集酉楽サカタニ」には、温かみのある色使いと柔らかなタッチの作品20点が並ぶ。「(病気で)できない今の自分を認めてあげることを学んだ。絵を見た人がほっこりして元気になってもらえれば」と話す。

 31日までの木曜~日曜、午前10時~午後6時。無料。