一時預かり在宅ボランティアの女性に甘える子猫。人間の温かさを伝えるのも重要な役割だ(京都市北区)

一時預かり在宅ボランティアの女性に甘える子猫。人間の温かさを伝えるのも重要な役割だ(京都市北区)

京都動物愛護センターに保護され、飼い主の引き取り手を待つ猫たち(京都市南区)

京都動物愛護センターに保護され、飼い主の引き取り手を待つ猫たち(京都市南区)

京都府内で保護されたネコの状況

京都府内で保護されたネコの状況

 捨てられたりした猫や犬を保護する京都動物愛護センター(京都市南区)から、生後間もない子猫を約1カ月間、引き取って育てる「一時預かり在宅ボランティア」が活動している。殺処分の減少に大きな役割を果たしており、人の身勝手で危機にさらされた命をつなぎ留めようと、市民の協力が広がる。

■ボランティアをする夫妻宅を訪れると…

 ケージ内で2匹の子猫が甘えていた。寝床のタオルの下には、靴下の中に入れたカイロが置かれる。体を温め、やけどを防ぐ工夫だ。ボランティアの京都市北区の夫妻は「黄色い子は食が細く、朝起きると、亡くなっていないか、いつもドキドキする」と見守る。

 子猫は丁寧に世話をしないと、亡くなるケースが多い。市と府の共同設置するセンターが2015年に開設され、態勢は拡充されたが、それでも80匹が限界。昨年度の殺処分数は犬に比べ、猫は30倍以上にのぼる。

 命を救おうと、始まったのが預かりボランティア。約40人が活動し、15年度の開始から昨年度までに約280匹を預かり、体調が安定する生後2~3カ月まで育てる。その後、センターが募集する飼い主に譲渡される。

■人にひどい目に遭わされたのか、警戒心の強い子猫も

 夫妻の活動は6年目に入り、20匹以上の命をつないできた。毎日、毛のつや、食欲の観察で健康状態をチェックし、長時間、自宅を空けることもない。妻は「人間にひどい目に遭わされたのか、警戒心の強い子もいる。見守ることから始め、子猫のペースに合わせている」。

 大変な活動だが、夫は「一番かわいい時期を見られますし、ある意味ぜいたく。ただ、名前は付けてないんですよ。別れる時につらいから」とほほ笑む。しかし、殺処分の現状に話が移ると、すぐに表情を硬くした。府内では昨年度、千匹超の猫が保護された。件数が減っているとはいえ、飼い主の都合で奪われた命は多い。「外見だけでなく、鳴き声やトイレの世話も含めて『かわいい』と思えるか。はき違えられているところもあるのでは」。

■ボランティアは人気だが、審査もある

 ボランティアは毎年年明けに募集する。定員20~30人だが、定員を超える年もあるなど、人気となっている。だが、登録できるのは申込者の44~80%。センターが責任感や覚悟を審査し、対象も「生後1カ月以下の猫の飼育経験」などの条件を設ける。

 ボランティアが懸命に育てても病気で亡くなることがあり、責任を感じてショックを受ける人もいる。感情移入の強い人は遠慮してもらっている、という。市医療衛生企画課の獣医師の男性は「自宅で愛情を持って育てられた方が子猫も幸せ」と感謝する一方、「保護される犬猫は後を絶たず、センターだけでは限界もある。人と動物が共生できる社会に向け、課題は多い」とも語った。

 昨年度、府内で保護された猫犬のうち、642匹の猫、20匹の犬が殺処分された。

■京都で保護された猫犬を引き取るには

 京都動物愛護センター、075(671)0336へ。対象は京都府在住者で、住環境など複数の条件が求められる。