くじ引きで副議長を選出した大山崎町議会の臨時会(同町役場)

くじ引きで副議長を選出した大山崎町議会の臨時会(同町役場)

 京都府大山崎町議会(定数12)で、慣例の任期2年を迎えて提出された議長の辞職願が許可されず、議長の改選が行われない事態となっている。与野党が6議席ずつで同数のため、議長を出すと少数派となり、採決時に不利となる構図がある。議論は平行線をたどっており、町政の停滞も懸念される。

 町議会は19日に臨時会を開会。この日までに副議長の辞職願が受理されており、初めに副議長選を行った。投票で与野党同数となり、与党の朝子直美氏(52)=共産党=と、野党の北村吉史氏(59)=大山崎クラブ=によるくじ引きの結果朝子氏が選出された。

 続いて渋谷進議長(69)=共産党=が辞職願を提出したところ、大山崎クラブなどが、辞職願を許可することに「異議あり」として、採決を求めた。朝子副議長は休憩を宣言し、野党は議事を進行するよう動議を出し紛糾した。

 その後、代表幹事会などを開いたが約6時間にわたり臨時会は空転。与党会派は慣例どおりの議長改選を主張する一方、野党会派は「慣例よりも、法律で任期は4年と定められている」と訴えて対立した。町議会の会議規則により、午後5時を過ぎたため流会となり、辞職願は無効となった。町議会事務局によると、申し合わせの任期2年を終える議長の辞職願が許可されなかったのは初めてという。

 同町では2018年の町長選で共産の支持を受ける前川光氏(64)が、自民党や旧民主党系が相乗りで推す現職を破って当選。同時に行われた町議選で共産や日本維新の会などの町長与党が6議席、自民党や公明党、無所属の野党も6議席を獲得した。

 改選後の前回議長選では渋谷氏と北村氏の投票で同数となり、くじ引きで渋谷氏が選出された。採決には加わらない議長を除いた勢力が与党5、野党6となり、議会では町長が提案した一般会計予算案が修正、否決されるなど異例の状況が続いている。

 だが野党議員が議長となれば与党6、野党5となり勢力が逆転する。事実上、議長ポストが町政の先行きを左右する構図だ。渋谷議長は「円滑な議会運営のためには慣例を守って辞職願を受理し、議長選をすべきだ」と、辞職の意向を突き通す姿勢だ。野党は原則論を唱え、辞職願を認めない姿勢を崩さない。このまま臨時会が開かれないと、来月末にも招集される12月定例会の開催も危ぶまれ、町政の混乱に拍車がかかりそうだ。