日本の宇宙探査技術の高さを改めて示したといえよう。

 探査機はやぶさ2が、地球から3億4千万キロ離れた小惑星りゅうぐうへの着陸に成功したと宇宙航空研究開発機構(JAXA)が発表した。地表に金属弾を発射し、岩のかけらや舞い上がった砂ぼこりを回収する作業にも着手した。

 りゅうぐうは初代はやぶさが探査した小惑星イトカワに比べ、表面の岩石にアミノ酸のような有機物を多く含むと考えられている。

 採取した岩石からアミノ酸が見つかれば、太陽系の成り立ちや生命の起源解明に大きな手がかりとなる。任務を果たし、予定の2020年末に無事帰還してほしい。

 はやぶさ2は、14年12月に打ち上げられ、昨年6月にりゅうぐうに到着した。大きな岩で機体が傷つかないよう半径約3メートルの限られたエリアを選び、事前に落としたボールを目印に傾きながら降下する難度の高い着陸となった。

 探査の内容は盛りだくさんだ。

 高度500メートルから爆薬と銅板が入った装置を放出し、爆発で塊となった銅をぶつけて人工クレーターをつくり、表面だけでなく地下からも岩石を採取する。地下は宇宙からの放射線の影響を受けにくく、太陽系ができた46億年前から変質していない物質があると期待されているためだ。小型探査ロボットによる表面調査も行う。

 10年に初代はやぶさが持ち帰った微粒子からは、イトカワの母体となった天体が他の天体と衝突して破壊され、再び集積してイトカワになったとの分析も導き出されている。はやぶさ2が収集する試料にも期待が高まっている。

 ただ、計画通りの任務が実行できるかどうかは予断を許さない。

 人工クレーターをつくる際、爆発に巻き込まれないよう小惑星の裏側に避難するというが、緻密で周到な計算が必要になろう。

 音信途絶やエンジン停止などのトラブルが続いた初代はやぶさの教訓から、通信できるデータ量やエンジンなどを改良した。行きは順調だったが、帰着するまで関係者は気を抜くことはできまい。

 米航空宇宙局(NASA)も昨年12月、地球から1億2200万キロかなたの小惑星ベンヌに探査機を到着させた。20年以降に着陸、23年9月に帰還する。日本のチームとも協力し、岩石を交換して互いに調べることも予定している。

 宇宙研究分野の国際協力に、日本の優れた探査技術が貢献し、新たな発見が広がっていくことを期待したい。