1990年代後半にあった米マイクロソフトの独占禁止法(反トラスト法)違反訴訟に、匹敵する重大案件だという。

 米司法省と11州が、インターネット検索と検索広告市場を支配し、競争を阻害したとして、同法違反で米IT大手のグーグルを提訴した。

 グーグルにアップル、フェイスブック、アマゾン・コムを加えた「GAFA」と呼ばれる巨大IT企業の市場支配の実態について、昨年、一斉調査に着手した米当局が、初めて訴訟に踏み切った。

 米経済をけん引するIT関連会社の成長を促進する立場から、監視を強化する方向へ、大きく転換したことになる。

 訴状によるとグーグルは、スマートフォンの利用者が多い米アップルに巨額の契約金を支払い、自社の検索サービスがまず使われるように設定させた。競合他社の検索にアクセスする主要な経路を封鎖し、独占的な地位を確保している、とされた。

 その通りならば、公正な競争を妨げていることになる。

 1社が独占的に市場を支配していると、技術革新の阻害にもつながりかねない。

 実効性のある何らかの措置が求められよう。米当局は、事業を分割することも視野に入れているそうだ。

 グーグル側は、提訴は消費者の利益にならず、大きな欠陥があると反発した。法廷闘争が激化し、長引くことも想定される。

 とはいえ判決は、今後のIT社会を左右するものと、なるかもしれない。

 グーグルに対しては、欧州連合(EU)欧州委員会が、独占禁止法に当たるEU競争法に違反したとして、制裁金の支払いを命じている。

 グーグルを含む巨大IT企業を巡っては、行き過ぎた節税を防ぐ「デジタル課税」の導入が、経済協力開発機構(OECD)の主導で議論されている。日本でも、規制を強化する新法が、今年5月に成立した。

 巨大化し、優越的な地位を使って、市場の支配を進めていくやり方に、国際社会は懸念を強めている。

 また、企業活動の中で不公正なかたちで個人情報を収集したり、世論や選挙に悪い影響を与えたりしては、ならないはずだ。

 今回の提訴を機に、競争を促すことだけでなく、社会における巨大IT企業の在り方についても、議論を深めてもらいたい。