新型コロナの影響を理由にした雇い止めは不当と訴えて会見する原告の女性(右)ら=京都市中京区

新型コロナの影響を理由にした雇い止めは不当と訴えて会見する原告の女性(右)ら=京都市中京区

 新型コロナウイルス感染拡大による業績悪化を理由に雇い止めされたのは不当として、京都市伏見区の和紙加工会社のパート社員だった女性(57)=同区=が同社を相手取り、パート社員としての地位確認や賃金の支払いを求める訴えを京都地裁に起こした。女性側は、従業員の雇用を維持した企業に支給される雇用調整助成金制度を利用すれば雇い止めは回避できたと主張する。26日に第1回口頭弁論があり、同社側は請求棄却を求めた。

 訴状などによると、女性は2018年8月に1年更新のパート社員として同社に採用され、製造業務に従事。19年8月には手続きを取ることなく契約が更新された。しかし今年3月、同社代表らとの面談で、他の社員から女性への苦情が出ていると伝えられ、同8月に新型コロナによる業績悪化を理由に雇い止めされたとしている。

 原告側は、新型コロナによる緊急事態宣言を受けて同社が4月下旬から一部社員や全パート従業員を休業させ、特例措置で拡充された雇用調整助成金制度を利用して休業手当を支給していたと指摘。少なくとも特例措置が延長された12月末までは制度を利用し雇用を継続できたとして、雇い止めの無効を訴える。

 口頭弁論終了後、京都市内で会見が開かれ、女性は「収入が激減して困窮している。会社の理不尽な雇い止めに強い憤りを感じる」と述べた。

 会社の代理人は「契約満了に伴うものであって不当な雇い止めではない」と争う姿勢を示した。