2017年に舞鶴港第2埠頭に入港した「にっぽん丸」。来月から国内クルーズが再開される(舞鶴市松陰)

2017年に舞鶴港第2埠頭に入港した「にっぽん丸」。来月から国内クルーズが再開される(舞鶴市松陰)

旅客ターミナルなどでの感染対策が求められている舞鶴港第2埠頭

旅客ターミナルなどでの感染対策が求められている舞鶴港第2埠頭

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で運航が中止されているクルーズ船の再開に向け、舞鶴港(京都府舞鶴市)の関係者が受け入れ体制の構築を急いでいる。国際航路の再開は不透明だが、来年5月には「にっぽん丸」の国内クルーズ入港も予定されている。関係者は整備が進んだ旅客ターミナルの感染防止対策などの検討を重ねている。

 クルーズ船をめぐっては、横浜港に2月に入港した「ダイヤモンド・プリンセス」で新型コロナの集団感染が発生。出入国制限で運航が困難となり、舞鶴港で4~10月に予定した計30回の寄港もすべてキャンセルされた。


 5月には英国の豪華客船「クイーン・エリザベス」初寄港に合わせ、「まいづる田辺城まつり」の開催日が前倒しされたが、寄港も催しも中止された。市みなと振興・国際交流課の小島宏課長は「舞鶴が世界のクルーズポートに仲間入りする年のはずだった。まちのにぎわいにつながる期待が大きかっただけに残念」と惜しむ。


 国土交通省によると、クルーズ船の昨年の日本人乗船客は35・7万人で過去最多を更新し、訪日旅客数は215万人、舞鶴港の寄港回数は34回と全国20位だった。


 クルーズ船が主に発着する舞鶴港第2埠頭(ふとう)では、府が旅客ターミナル(440平方メートル)や雨天時用の伸縮式通路を新設。倉庫約1200平方メートルをターミナルに改装する工事は本年度中に完成予定だ。


 運航再開への動きも出ている。業界団体は9月、国内クルーズを対象に船の事業者と、寄港する旅客ターミナルの感染症対策ガイドラインを公表。列や座席の間隔の確保、消毒液の配置、寄港イベントでの検温など感染防止策を盛り込んだ。国は保健所など衛生関係部局を含む協議会などの合意を得た上での受け入れを求め、府は協議会立ち上げを急ぐ。


 府港湾局は「国際クルーズのガイドラインはまだだが国内クルーズは動きだす。クルーズ船は経済効果や港の活気にもつながり、受け入れ体制を早急に整えたい」としている。


 商船三井客船が運航する「にっぽん丸」は11月に神戸港発着の便から国内クルーズを再開。来年4~5月の「日本一周クルーズ」で5月3日に舞鶴港への寄港を計画する。


 10月17、18日には港湾関係者向けの試験クルーズが横浜港発着で行われ、府と舞鶴市の職員が参加。乗船者にはPCR検査キットが事前に郵送され、唾液の検体を返送した上で乗船が認められた。


 船内入り口ではサーモグラフィーを使った検温はもちろん、食事の際は乗船カードと座席のQRコードで位置を記録し、感染者が出た場合の対応に役立てる。透明のアクリル板で仕切られた舞台でコンサートも行われた。乗船した小島課長は「感染症対策が徹底され、安心して乗船できる。クルーズ船の安全性を広く説明していきたい」と話した。