釈然としない人もいるだろう。

 新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けた飲食店を支援する「Go To イート」事業で、京都府のプレミアム付き食事券が販売開始直後に完売してしまう事態が繰り返されている。

 20日に売り出した20万冊は約40分で売り切れ、購入できなかった人が続出した。26日は2回に分けて25万冊ずつ販売したが、それぞれ約45分、約40分で完売した。

 買えなかった人からは「(申し込みや入手方法が)分からない」「問い合わせの電話がつながらない」などの声が相次いでいる。

 予約は事業を行う事務局のホームページで先着順に受け付け、翌々日以降にファミリーマートの専用端末で決済、発券する。

 ただ、ネットに慣れていない高齢者などが入手しにくくなる懸念は、当初から指摘されていた。

 GoToイートには多額の公金が投入され、誰でも利用できることが前提のはずだ。購入を希望する多くの人に不公平感を抱かせるようでは、事業そのものへの信頼が揺らぎかねない。

 食事券は都道府県ごとに発行され、購入額の25%分が上乗せされる。京都は1冊5千円分を4千円で販売し、府内の参加店で利用できる。来年1月末までに計160万冊(約80億円分)を発行する。

 観光地・京都の食事券は旅行用に購入する人も多いとみられ、競争率が高くなったようだ。

 だが、販売方法の周知や買えない人への対応は不十分と言わざるを得ない。ネットが使えない人は往復はがきで申し込み、事務局がウェブ手続きを代行する仕組みを設けたものの、どれだけの人が購入できたのかは不透明だ。

 事業を所管する農林水産省が感染リスクのある対面販売を避けるよう求めた事情もあるが、ネットが原則の販売は、多くの購入希望者を切り捨てかねない。

 他府県では、滋賀がスーパー店頭とネットでの受け付けを併用する。石川は1冊分の引換券を全戸配布し、香川は購入を県民に限定し抽選方式をとる。公平性確保への工夫を凝らしているようだ。

 京都では12月14日に最後の受け付けとなる80万冊分を販売する予定だ。できるだけ多くの人が購入できるよう改善してほしい。

 今回の問題は、ネット利用に不慣れな人たちが制度の対象外に置かれやすいことを浮かび上がらせた。こうした「格差」の解消は、菅義偉政権が掲げる社会のデジタル化推進でも重要な課題である。