死刑廃止を求める滋賀弁護士会の決議文

死刑廃止を求める滋賀弁護士会の決議文

 オウム真理教の元幹部らの死刑執行を機に、死刑制度への関心が高まっている。日弁連は、刑事司法に関する国連の国際会議が京都で開催される2020年までの廃止を目指しており、単位弁護士会で初めて廃止要求を決議した滋賀弁護士会に続く動きも全国で出始めた。国会議員や研究者ら関係者は「究極の刑罰」を巡る議論の活性化に期待を寄せている。

 18年は教団元幹部の死刑囚13人を含む計15人の刑が執行され、一時中断していた執行が再開された1993年以降では08年と並んで最多となった。12月には超党派の議員連盟が発足した。賛否それぞれの立場から幅広く議論を深め、制度のあり方について提言することを目指している。

 日弁連は16年の人権擁護大会で、20年までに死刑制度の廃止を求める宣言を採択した。冤罪(えんざい)のリスクなどを踏まえ、代替刑として判決時に仮釈放のない終身刑の導入を提言した。同年には刑事司法分野で国連最大となる犯罪防止刑事司法会議が京都市で開かれる。国連は廃止を勧告しているため、期限を定めた格好だ。

 滋賀弁護士会は人権擁護大会の直前、死刑廃止を求める決議を賛成多数で可決した。単位弁護士会としては全国初で、次いで宮崎県弁護士会が18年6月に同様の決議をまとめた。

 一方で否定的な見方もある。京都弁護士会は同年にプロジェクトチームを検討委員会に格上げし、勉強会などを企画している。ただ、12年に決議案が反対多数で否決された経緯もあり、再度の決議提案には至っていない。

 各弁護士会によると、「強制加入団体である弁護士会が個人の思想・信条に深く関わる問題について統一的な見解を出すべきではない」、「被害者や遺族の感情を考慮すると死刑は必要。被害者支援もやりにくくなる」といった意見があるという。

 滋賀弁護士会は、オウム真理教教祖の松本智津夫元死刑囚=教祖名麻原彰晃=の弁護人だった安田好弘弁護士を交えたシンポジウムを3月に予定する。今後も死刑の是非を問う情報発信に力を入れる考えだ。

 日弁連の「死刑廃止及び関連する刑罰制度改革実現本部」の副本部長を務める堀和幸弁護士(京都弁護士会)は「各弁護士会や国会への働きかけを強めるとともに、人権団体などと協力しながら一般市民も巻き込み、廃止に向けた議論を盛り上げていきたい」と話す。