沖縄の民意は改めて「辺野古の新基地にノー」を示した。

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設をめぐる沖縄県民投票が行われ、辺野古の海の埋め立てに「反対」が過半数を占めた。

 反対は投票資格者数の4分の1を上回り、玉城デニー知事は県民投票条例に基づいて、安倍晋三首相とトランプ米大統領に投票結果を通知する。

 投票結果に法的拘束力はないが、昨年9月の県知事選に続き、県民は明確な意思を示した。政府は辺野古沿岸部への土砂投入を続ける構えだが、これ以上民意を無視し続けるのは、民主主義国家として許されない。

 共同通信社の世論調査では約86%が「政府は県民投票結果を尊重すべき」と答えている。同社の出口調査では、自民党の支持層の48%が反対に投票している。

 基地建設の予定海域では、極めて軟弱な地盤の存在も明らかになった。工事を続けるには大規模な地盤改良工事が必要で、岩屋毅防衛相も工期の長期化を認めざるをえなくなっている。

 政府は「辺野古が唯一の選択肢」と繰り返すが、本当にそうなのか。政府が辺野古に固執すればするほど、普天間飛行場の返還が遅れることになりかねない。

 沖縄県の玉城デニー知事は工事の中止と話し合いを国に求めている。国は早急に応じるべきだ。

 県民投票は当初、「賛成」「反対」の2択制の予定だったが、安倍政権に近い宮古島市や宜野湾市など5市長が不参加を表明したため、投票条例改正で「どちらでもない」を加え3択制となった。

 辛うじて全県実施が実現したが、自民党は支持者に投票を控えるよう呼びかけた。5市は投票事務を行ったが、告示以後の啓発などには協力的ではなかった。住民投票の意義を低めようとする政党や首長の姿勢には疑問が残った。

 それでも、住民投票の有効性の指標とされる「投票率50%以上」をクリアした。県民の関心の高さを反映しているといえよう。

 沖縄県では1996年にも米軍基地に関して県民投票が行われた。都道府県単位の住民投票は沖縄県でしか行われていない。基地の沖縄への集中について、県民は十分なほど意思を表明してきた。

 今後問われるのは、事実上、基地を沖縄に押し付けてきた本土の姿勢だ。安全保障を含め負担のあり方を日本全体で具体的に考える機会にしたい。