朝倉山椒を栽培する上での要点を語る白樫さん(南丹市園部町・市国際交流会館)

朝倉山椒を栽培する上での要点を語る白樫さん(南丹市園部町・市国際交流会館)

 園部藩が江戸幕府に献上した「朝倉山椒(さんしょう)」を京都府南丹市の特産にするプロジェクトが始まった。先駆者から栽培技術を学んでいるほか、旗振り役の園部町農業公社は同市園部町にモデル園を設ける予定。同市美山町の住民グループも、良食味で知られるコメと並び立つ存在に育てようと意気込む。歴代の将軍をうならせた園部藩の逸品が復活する。

■香りよく、獣害に強い

 発祥は兵庫県養父市で、香りがよく、取引価格も高い。南丹市立文化博物館の犬持雅哉学芸員(45)によると、園部藩の初代藩主小出吉親が3代将軍徳川家光に献上し、後の藩主が8代将軍吉宗に献じた記録もあるという。犬持学芸員は「地元で生産された特別な品だったのだろう」と推測する。

 同公社は、2019年に立藩400年を迎えた園部藩の歴史に着目。小出氏にちなんだ「小出そば」を売り出し、朝倉山椒の特産化にも乗り出した。

 28日には同市園部町で栽培講習会を開催。年間200キロ前後を出荷する京丹波町下乙見の白樫貢(みつぎ)さん(80)が、施肥や剪定(せんてい)の要点を30人の参加者に伝えた。「クマやサルが食べないので獣害に強い。日陰も必要なため、中山間地域での栽培に適している」とし、特産化を期待する。

 同市美山町で来年から数人で栽培を始める計画を持つ上田純二さん(72)は「コメに加えて、美山の新たなブランド品にしたい」と将来を見据える。

 来年前半にモデル園を開設する同公社の佐々谷吉美副理事長(79)は「特産物として定着させ、小出そばに朝倉山椒をかけて味わえるようにしたい」と話す。