戦国の乱世を生きた細川ガラシャを演じるソプラノ歌手の田中さん(京丹後市峰山町・京都府丹後文化会館)

戦国の乱世を生きた細川ガラシャを演じるソプラノ歌手の田中さん(京丹後市峰山町・京都府丹後文化会館)

 オーストリアのウィーンを拠点に世界で活躍するソプラノ歌手の田中彩子さん(36)=京都府舞鶴市出身=が11月20、22日、京都市と京丹後市で自身が総合プロデュースした「モノオペラ ガラシャ」を公演する。京丹後市は細川ガラシャが本能寺の変の際に幽閉された隠棲(いんせい)地でもあり、田中さんは「歴史や物語がたくさんある丹後は世界に誇る場所。芸術や音楽を通じ改めて感じてほしい」と話している。

 田中さんは3歳から始めたピアノを手の小ささから16歳で断念したが、声楽家の小玉晃さんに歌の才能を見いだされ、2002年のウィーン留学から海外で活動する。非常に高い音域を発する技術と、能や歌舞伎から取り入れた繊細で優美な所作が特徴とされる。

 モノオペラは2年前に着想し、ガラシャをテーマにした戯曲を出版した京丹後市在住の翻訳家横島昇さん(67)に脚本を依頼した。作品は5幕構成で、ガラシャを介錯(かいしゃく)した武将小笠原小斎の独白によって物語が進む。「人々が抱くガラシャ像を壊したくない」という田中さんの思いから小斎の視点からガラシャの人生が描かれる。

 世界各国での上演を視野に入れ、1時間ほどの短いモノオペラを選び、出演は田中さん演じるガラシャと小斎のみ。言語が変わっても柔軟に対応できるよう歌詞のない発声だけの歌とした。

 ガラシャの衣装は丹後ちりめんの最高級の打ち掛け、小物にも和紙や漆、藤織りの糸など丹後の伝統工芸が用いられた。

 田中さんは「音楽・芸術を通した文化交流の懸け橋の一つとなれるよう、世界中の多くの方々に見てもらえるよう努めていきたい」と話している。

 20日の上賀茂神社(京都市北区)での公演は完売。22日午後6時から京丹後市の京都府丹後文化会館=0772(62)5200=でも公演する。