琵琶湖のアユ漁で船から次々と水揚げされる稚魚(2019年12月撮影、大津市)

琵琶湖のアユ漁で船から次々と水揚げされる稚魚(2019年12月撮影、大津市)

大型植物プランクトンのミクラステリアス=滋賀県琵琶湖環境科学研究センター提供

大型植物プランクトンのミクラステリアス=滋賀県琵琶湖環境科学研究センター提供

アユの餌となるヤマトヒゲナガケンミジンコ=滋賀県琵琶湖環境科学研究センター提供

アユの餌となるヤマトヒゲナガケンミジンコ=滋賀県琵琶湖環境科学研究センター提供

アユの食物連鎖のイメージ

アユの食物連鎖のイメージ

 琵琶湖のアユ漁が近年で最も低迷した2016年12月から17年4月にかけての不漁の一因に、大型植物プランクトン「ミクラステリアス」の大量増殖があるとみられることが、滋賀県琵琶湖環境科学研究センター(大津市)の研究で分かった。この時期、アユの餌になるケンミジンコの一種が少なかったことが確認されているが、実験でケンミジンコなどが大型植物プランクトンをほとんど食べないことが明らかになった。植物プランクトンからアユまでの食物連鎖のバランスが崩れた可能性がある。

 センターの永田貴丸主任研究員が18年7~11月、動物プランクトンのケンミジンコやミジンコが食べる植物プランクトンの大きさを調べた。ミジンコを入れるなどした湖水ボトルを北湖の水中につるし、1週間後に引き上げて、ボトルの中の植物プランクトンの量を計測した。その結果、45ミクロン未満の中小サイズの植物プランクトンは大幅に減少したのに対し、45ミクロン以上の植物プランクトンは減らず、むしろ増える傾向にあった。

 16、17年のアユ漁低迷の時期、アユの餌となる琵琶湖の動物プランクトンの中で数の多いケンミジンコ「ヤマトヒゲナガケンミジンコ」が少なかったことが確認されている。一方、16年秋に大量増殖した植物プランクトンのミクラステリアスは約200ミクロンと大きく、このプランクトンの増殖により、ケンミジンコによる中小植物プランクトンの捕食が妨げられた可能性があるという。