【資料写真】京都大学

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 民族差別や植民地支配の中で不当に収集した遺骨の返還を求める要望書を京都大の湊長博総長らに提出したと、京大の駒込武教授や藤原辰史准教授らが29日発表した。両氏を含めた7人が呼び掛け人で、国内外76大学などから計332人が賛同人に加わったという。

 要望書では、京都地裁で係争中の琉球遺骨返還訴訟に触れ「遺族や地元の人々の礼拝対象となっていた墳墓から遺骨を収集することは、当時の刑法にも抵触する行為だった」と主張。遺骨の価値は専門家だけが決めるものではないとし「人間の尊厳を傷つける研究を通じて得られるような学術的価値を認められない」とした。その上で、遺骨に深くゆかりのある人から返還要請があった場合は「真摯(しんし)に応じて協議する」よう求めた。

 この日、京都市左京区の京大で駒込氏や藤原氏らが記者会見した。奄美諸島の遺骨問題のほか、台湾や朝鮮半島の遺骨も京大が所有している可能性があるとし、十分な情報開示がない点を批判。解決に向けた開かれた対話の重要性を訴えた。藤原氏は、世界の研究機関などで遺骨返還の取り組みが進んでいる現状に触れ「京大は世界の常識から外れている」と話した。