昭和初期の古民家を旅館として再生させた政倉さん。玄関付近はタイルや透かし彫りなど豪華な装飾が施されている(八幡市橋本)

昭和初期の古民家を旅館として再生させた政倉さん。玄関付近はタイルや透かし彫りなど豪華な装飾が施されている(八幡市橋本)

 建築当時のステンドグラスが各所にあしらわれている

建築当時のステンドグラスが各所にあしらわれている

旅館の外観。1階の窓上部には「客よ来い(コイ)」と掛けてコイの透かし彫りが施されている

旅館の外観。1階の窓上部には「客よ来い(コイ)」と掛けてコイの透かし彫りが施されている

 京都府八幡市橋本で、かつて遊郭の一角をなした昭和初期の古民家が旅館としてオープンした。中国出身の経営者が「こんなに日本文化が残る建物をつぶしてはもったいない」と間取りや建具を残して再生させた。ステンドグラスやタイルなど豪華に装飾された遊郭建築の魅力を多くの人に伝えたいと見学者の受け入れも始め、希望者も増えつつある。

 建物は、昭和10年代の最盛期には一帯に86軒が並んだ貸座敷の一つ。木造2階建てで1935(昭和10)年の建築とされる。中国の伝統療法「火療」を手がける政倉莉佳さん(55)が改修して今年6月に火療のサロンを設けた。10月には同じ建物で旅館業の許可を得た。

 政倉さんは中国東北部に生まれ、30年前に日本国籍を取得した。この建物を紹介され、「日本の文化が感じられて、すごく気に入った」と大阪府枚方市から引っ越した。

 ただ、取得当時は、雨漏りがして、ほこりだらけ。畳99枚を運び出し、かまどがあった場所をトイレにする一方、大正期を思わせる建具や色ガラス、照明器具などはそのまま再利用した。