日銀の金融政策や社会保障のあり方について講演する法政大の小黒教授(京都市下京区)

日銀の金融政策や社会保障のあり方について講演する法政大の小黒教授(京都市下京区)

 京都政経文化懇話会の2月例会が25日、京都市下京区のホテルであった。小黒一正・法政大経済学部教授(公共経済学)が「2019年の経済・財政展望」と題して講演し、日銀の金融政策や少子高齢化の中で重くのしかかる社会保障費のあり方について語った。

 小黒氏は、戦後最長とされる足元の景気拡大を「非常に弱い」と指摘し、10月に控える消費増税の影響を考察。政府が掲げた中小の小売店向けキャッシュレス決済時のポイント還元について「過剰とも言える景気対策。(対策終了後の)経済に対するショックが大きい」と注意を呼び掛けた。

 一方、日銀の黒田東彦総裁が2%の物価上昇を掲げて踏み出した大規模金融緩和を「全くうまくいっていない」と一蹴。日米の物価上昇率を比較した上で、米国は医療費や水道料金などサービス部門の価格が上昇している構造を説明し、「物価が上がらないのは日銀の問題ではない」と述べた。

 高齢化で拡大し続ける医療費や年金にも言及し、将来の財政を展望した。「問題は国内総生産(GDP)の伸び以上に社会保障費が膨らむことだ」とし、物価などの伸びよりも年金給付費を低く抑える「マクロ経済スライド」の仕組みを診療報酬にも適用する財政再建策を検討すべきと訴えた。