新型コロナウイルスの国内感染者数が累計で10万人を突破した。

 1月に初の感染者が確認されてから9カ月余り。死者は計1700人を大きく上回っている。

 新規感染者数は9月以降、横ばいだったが、10月から微増傾向が続き、収束への出口は見えない。

 都市圏を中心に歓楽街や外国人などのクラスター(感染者集団)発生が多様化し、市中感染の広がりを浮かび上がらせている。

 インフルエンザとの同時流行も懸念される冬場に向け、対策の総点検と徹底が急務といえよう。

 8月上旬がピークの「第2波」後も新規感染が一定水準より減らず、再び上向いたのは、各地でクラスターが散発しているためだ。

 北海道や関東で接待を伴う飲食店や大学の運動部などでの発生が相次いでいる。外国人のコミュニティーでも広がり、医療機関にかかる方法が分からずに未受診の人も多いのではと指摘されている。

 政府の観光支援策「Go To トラベル」の東京発着が解禁され、クラスターの地方への拡散が現実化している。いかに連鎖的発生を封じられるかが対策の焦点といえる。

 警戒が必要なのは、インフルとの同時流行である。

 国は発熱患者の急増に備え、保健所を中心とした従来の対応から、身近なかかりつけ医らで検査・診察を受けられる新たな体制整備を打ち出した。

 京都、滋賀など府県ごとに医療機関を指定し、11月から始める。発熱など症状の出た人は、まず直接電話で相談の上、診察した医師の判断で検査を行う。感染の疑われる人を漏らさず早期に対応することで、的確に治療につなげていくことが期待されよう。

 ただ、地域の診療所などでは通常診療への影響や、感染防止策の負担への懸念が根強い。医療従事者への手当補助やマスク、防護服の支給など自治体独自の支援策に加え、国が財政面や国民への周知、風評被害防止でも責任を果たすべきだろう。

 コロナの治療方法の改善によって重症化や死亡の割合は減少傾向にあるが、甘くみてはいけない。

 欧米では再流行の猛威に見舞われ、フランスやドイツが再び外出禁止措置や店舗閉鎖に踏み切った。ベルギーは医療体制が逼迫(ひっぱく)し、死者が大幅に増えている。

 日本政府は、経済回復をにらんで入国制限の緩和へ動いているが、各国の状況を慎重に見極めての水際対策が求められよう。