基礎科学研究者への長期助成プログラムを説明する中西京都大名誉教授(左から2人目)ら稲盛科学研究機構の運営委員=東京都千代田区・文部科学省

基礎科学研究者への長期助成プログラムを説明する中西京都大名誉教授(左から2人目)ら稲盛科学研究機構の運営委員=東京都千代田区・文部科学省

 稲盛財団(京都市下京区、稲盛和夫理事長)は25日、基礎科学の研究者1人につき10年間で総額1億円を助成する「稲盛科学研究機構(InaRIS)フェローシッププログラム」を創設すると発表した。目先の成果を追う研究ではなく、自由な発想で革新的な技術開発や新たな発見につながる長期的な試みを支援し、日本の科学界をリードする人材の育成を目指す。

 自然科学系の基礎研究に取り組んでおり、日本に住み、大学などの研究機関に属しているといった要件を満たす50歳以下の研究者を対象にする。2020年度は量子に関する研究者を公募し、2人を助成対象者に選ぶ予定。研究費として年間1千万円を10年間助成する。

 費用助成と合わせ、研究者の志や探究心を支える取り組みも進める。ノーベル賞を受賞した高エネルギー加速器研究機構の小林誠特別栄誉教授、京都大iPS細胞研究所の山中伸弥所長も運営委員として加わるInaRISが、助成対象者の活動をサポートしたり異分野の研究者と意見交換したりできる場を提供する。

 個人を対象に10年間支援する助成プログラムは国内では最長という。文部科学省で概要を発表したInaRIS機構長の中西重忠京都大名誉教授は「科学研究が真に果実を生むには時間がかかる。高い志を持った『人』に助成することが最大の特徴だ」と述べ、小林特別栄誉教授も「広い視野やスケールでものを見て、それに対して深く問題意識を持っている研究者を支援したい」と話した。