駅員の手のひらにとまり、落花生のかけらをくわえたヤマガラ(大津市坂本本町・比叡山鉄道ケーブル延暦寺駅)

駅員の手のひらにとまり、落花生のかけらをくわえたヤマガラ(大津市坂本本町・比叡山鉄道ケーブル延暦寺駅)

落花生のかけらをくわえて、手から飛び立つヤマガラ

落花生のかけらをくわえて、手から飛び立つヤマガラ

 比叡山にある比叡山鉄道・ケーブル延暦寺駅(大津市)で、野鳥のヤマガラが駅員になつき、手のひらから餌をついばむ愛らしい姿を見せている。手乗り文鳥ならぬ「手乗りヤマガラ」になったのは10年以上前で、親からひなへ何代も世代交代しているという。

 ヤマガラは、シジュウカラ科の小鳥で、スズメとほぼ同じ大きさ。山間部に暮らし、昆虫や果実などを食べる。

 10月中旬、延暦寺駅を訪ねると、男性の駅員が手乗りヤマガラを実演して見せた。

 落花生のかけらを手に持って駅舎の外に出ると、しばらくして近くの木にヤマガラがやってきた。樹上で少し様子をうかがっていたが、「チチチチッ」とさえずった直後、駅員の手のひらに急降下。落花生をツンツンとついばみ、くちばしにくわえて飛び去った。

 しばらくすると、別のヤマガラもやってきた。駅員によると「手に乗るのは4、5羽いるみたいです」。

 野鳥のヤマガラがなついたきっかけは、20年近く前のこと。駅の売店(現在は閉店)で、当時80代の女性従業員が落花生などをやり始めた。最初は落ちたものを食べるだけだったが、数年かけて手のひらまで来るようになったという。

 その後、巣立った直後のひなが、親鳥と一緒に来て、手から餌をもらえることを覚えるようになった。世代交代しながら「手乗りヤマガラ」が受け継がれているようだ。

 ところで、人が餌をあげることは、野生の鳥獣に悪影響を及ぼさないのだろうか。京都市動物園(左京区)によると、「基本的に野鳥への餌付けは好ましくないです」。人を恐れなくなって捕まえられてしまったり、餌を与えられることで野生で生き抜く力を失うことが考えられるという。

 ヤマガラは、かつて「おみくじを引く芸」などに使われていたこともある鳥で、警戒心が強くないという。「かわいいと思う気持ちは分かるけど、人との間には距離があった方がいい」と指摘する。

 延暦寺駅の駅員は「やはり野鳥なので、あまり餌をあげすぎないようにしています。訪れる方もそっと見守ってほしい」と話している。