東日本大震災の復興政策を担う復興庁が、2020年度末の設置期限まで約2年となった。

 同時に「復興・創生期間」の取り組みも終了する。ただ、被災地の復興はいまだ道半ばだ。引き続き財政的、人的な支援が必要なことは言うまでもない。

 後継組織について、同庁は先月まとめた復興基本方針の見直しに関する骨子案でも明確にしていない。しかし、共同通信が岩手、宮城、福島3県の被災42市町村長に行ったアンケートでは、9割の首長が後継組織の必要性を訴えた。

 震災から8年近くたっても、解決できていない多くの課題が残っていることを物語っている。

 これまでの復興政策のあり方を検証したうえで、被災地のニーズをふまえた取り組みを進めることができる組織体制について、政府はじっくり検討してほしい。

 アンケートでは、後継組織について重視する点として復興特別会計など独自財源の確保、復興特区制度の存続、担当大臣設置の継続が上位に並んだ。復興を進めるには財源と制度、政治力が不可欠という首長らの本音がうかがえる。

 被災地では堤防や住宅などの整備が進む一方、震災で加速した人口流出が深刻化している。

 42市町村のうち25市町村では、震災前と比べ10%以上も人口が減った。高齢化率が30%を超える自治体も目立つ。

 人口減や高齢化もふまえた新たな支援の枠組みを練り直さなくてはならない。後継組織を創設するなら、行政の縦割りを乗り越えるリーダーシップと現地の実情に対応できる柔軟さが必要だ。

 ただ、今の復興庁がそうした役割を果たしているとは言い難い。

 復興担当相は他省庁への勧告権を持つなど復興行政の「司令塔」役を期待されているのに、その権限を十分に発揮している印象は薄い。同庁の業務は交付金の配分や自治体との調整にとどまり、職員は各省庁からの出向、担当相も短期間で交代する例が多い。

 こうした体質を残したまま後継組織に移行しても、被災地の願いを実現できる体制にはなれまい。

 復興庁の骨子案は、21年度以降も被災者の心のケアなどに一定期間が必要だとしたうえで、東京電力福島第1原発事故の被災地では国が引き続き前面に立って支援する必要性を指摘している。

 原発事故では帰還困難区域での復興が緒に就いたばかりだ。被災地に寄り添い、強い実行力を発揮できる組織づくりが求められる。