京都市右京区にあるバス停「太秦東口」。そばに横断歩道があり、バス停車時には後続車両が見えない

京都市右京区にあるバス停「太秦東口」。そばに横断歩道があり、バス停車時には後続車両が見えない

 京都市バスのバス停1618カ所のうち、横断歩道や交差点のそばにある「危険なバス停」が、296カ所に上ることが市交通局の調査で分かった。このうち15カ所はバスが正規の位置に停車した際に車体の一部が横断歩道にかかり、特に危険性が高いという。同局はバス停の移設を含め対策を検討中としているが、抜本的な解決への道のりは見えない。

 右京区のバス停「太秦東口」(西行き)は、同局の調査で特に危険性が高いとされたバス停の一つだ。バス停と横断歩道の間は約2メートルしかなく、バスが停車すると、横断歩道にいる人からは後続の車両があるかどうか見えない。バスが発車するのを待ちきれずに横断歩道を渡り、後続車両と接触しそうになる人もいる。近くの洋品店の男性店主(88)は「事故が起きてからでは遅い」と早期の対策を求める。

 全国ではバスの死角が原因となった事故が確認されている。横浜市で2018年、横断歩道上に止まっていたバスの後ろから道路を渡ろうとした小学5年の女児が対向車にはねられる死亡事故が起きた。国土交通省は昨年12月、こうした「危険なバス停」を洗い出そうと、全国のバス事業者に調査を指示した。

 京都市交通局が抽出したバス停は、停車時にバスの車体が(1)横断歩道にかかる(2)交差点にかかる(3)横断歩道か交差点の前後5メートルの範囲にかかる―の3種類。このいずれかに当てはまるバス停が296カ所あり、うち15カ所が(1)の横断歩道にかかるバス停だという。

 同局は暫定的な対策として、296カ所全てのバス停の標識に横断時の注意喚起を促す文書を掲示した。特に危険な(1)の場所では、横断歩道に車体がかからないよう、運転手に正規の停車位置からずらして停車するよう指示しているという。

 同局によると、(1)のバス停で過去5年間に市バスが関係する人身事故はゼロだった。だが、バスの死角が原因で起きた事故までは把握しきれていないといい、市議会から「バスの死角が原因で起きた事故も確認すべき」との声が出ている。

 抜本的にはバス停や横断歩道の移設、バス専用停留所の設置などが考えられるが、いずれも警察や地元住民との調整や協力が欠かせず、実現にはハードルが高いのが現状だ。同局は「対策は検討中」としている。

■危険とされる京都市のバス停()内はバスが向かう方向

等持院南町(東)
洛北高校正門前(北)
太秦東口(西)、高雄(南)
築山(南)、奈須野(南、北)、六孫王神社前(西)
内田町(南)、三ノ宮(東)、谷ケ辻町(南、北)
樋爪町(南、北)、直違橋一丁目(西)