微小な肺がんの位置を特定するために京都大などのグループが開発したシステム。棒状のセンサーでミリ単位のチップからの信号を検知する(京都市左京区・京大医学部付属病院)

微小な肺がんの位置を特定するために京都大などのグループが開発したシステム。棒状のセンサーでミリ単位のチップからの信号を検知する(京都市左京区・京大医学部付属病院)

 プリペイドカードなどに使われているマイクロチップを用いて微小な肺がんを手術する手法を開発したと京都大などのグループが15日発表した。特定が難しい小さな病変の位置も把握できるとしている。9月に初の手術を行い、経過は良好という。

 肺がんはがんの中では日本人で死者数が最も多い一方、近年は画像診断技術の向上などで初期の微小ながんの発見が増えている。だが肺の表面から見えない場所にある腫瘍の位置を特定し、確実に除去することは難しかった。

 京大医学研究科の伊達洋至教授や福岡大の佐藤寿彦准教授らが開発した手法では、気管支に通した管によって手術の前に直径1・8ミリの円筒型のチップを肺がんの病巣近くに置く。その後、体の表面に開けた穴から胸腔(きょうくう)鏡を差し込んで手術を行い、肺の内部にあるチップの信号を検知。チップを目印に周囲の組織とともに病巣を切除する。

 昨年12月に高度管理医療機器として承認され、9月27日、肺がんの70代女性患者を手術して成功したという。伊達教授は「過不足なく病巣を取り切ることができる。肺がんだけでなく、乳がんや胃がんにも応用可能な技術だと思う」としている。