オーストラリア北東岸に広がる「グレートバリアリーフ」は、日本列島がすっぽり収まるほど大規模なサンゴ礁地帯だ。350種以上のサンゴが群生し、1981年に世界自然遺産に登録された▼サンゴ礁群の北端にある小島にだけ生息するネズミの固有種「ブランブルケイ・メロミス」の絶滅を先週、同国政府が認定した。約15センチの丸く茶色い体に長い尻尾とひげが特徴だった▼かつて数十匹の生息を確認できたが、地球温暖化などで海面が上昇し、生息地が浸水したのが原因とみられる。人為的な気候変動の犠牲となった初の哺乳類といえそうだ▼地球上の生物は繁栄と絶滅を繰り返し、約6500万年前の恐竜絶滅など多くの生物が姿を消す「大量絶滅」が過去5回あった。いま「第6の大絶滅」が近いと指摘する研究者もいる▼核戦争や環境問題に起因する地球終焉(しゅうえん)までの時間を示す「終末時計」が残り「2分」に迫る。米国の科学者らが毎年公表しているが、米ソ冷戦で水爆開発が過熱していた1953年と並び3回目の過去最短となった▼米ロの中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄方針などに加え、二酸化炭素(CO2)の排出増も理由だ。気温が上昇し続ければ、地球の生物種の6分の1が絶滅の危機にひんするとの予測もある。杞憂(きゆう)であろうか。