今月から始まった幼児教育・保育の無償化で、対象外となっている京都朝鮮学園幼稚班の保護者らが16日、無償化の適用を求める要望書を京都府に提出した。保護者らは「母国語や歌、踊りなど民族のアイデンティティーを学ぶ子どもの権利が奪われる」と現状の制度を批判し、政府への働き掛けや独自の財政的措置を講ずるよう府に求めた。
 幼保無償化は、認可外保育施設やベビーシッターなどが対象になる一方、朝鮮学校やインターナショナルスクールなど、学校教育法で「各種学校」に分類される学校は除外されている。府内には同学園の幼稚園にあたる朝鮮初級学校付属幼稚班が2カ所にあり、保育料はバス代なども含め1人当たり月額約2万5千円。現在は3~5歳の計約30人が通っているという。
 府庁には保護者や学園関係者ら10人が訪れ、文教課職員に要望書を手渡した。保護者(42)は「納税義務を果たしているのに権利がないことに憤りを感じる。道理が通らないことを、子どもにどう説明すればよいのか」と声を震わせた。同学園の理事長は「子どもたちは4世、5世で日本に生まれ育ってきた。新たな差別や偏見につながる懸念もあり、無償化は全ての子が当然の権利として受けるべきだ」と訴えた。
 保護者らは来週、京都市にも同様の要望書を提出する。