本人は「後悔先に立たず」との思いにかられているのでは。

 外食チェーン店やコンビニで、アルバイト従業員らが悪ふざけした動画をインターネットに投稿する事態が相次ぎ、企業側から刑事告訴などの動きが出ている。

 胸が悪くなる動画だ。ごみ箱に捨てた食材の魚をまな板に載せようとしたり、おでんの白滝を口に入れて出したり、商品のペットボトルの飲み口をなめたり-。

 笑い、踊りながら、軽い気分で悪のりしているように見える。

 ネットの会員制交流サイト(SNS)や写真共有アプリ「インスタグラム」に投稿したのが、他に拡散して騒ぎになった。

 若い世代は幼いころからネット環境に囲まれ、SNSなどへの投稿にあまり抵抗感がない。一方で、投稿した動画を削除してもネット上に拡散して残り、重大な影響を及ぼすとは思い至らない。そうした若者は一部だろうが、一時の軽はずみで人生を損なってほしくない。

 ネットを十分に理解し、モラルを身につける教育に、もっと力を入れるべきではないか。学校の先生が不得手なら、外部の専門家が教えてもいい。

 2013年にも悪ふざけ画像の投稿が相次ぎ、閉店に追い込まれたケースが出ている。売り上げへの打撃や株価の下落など深刻な実例を挙げて、ネットの先にリアルな世界が広がっていることを示すことが大切だ。

 企業の中には、刑事告訴や損害賠償請求など法的責任追及の姿勢を見せるところもある。再発防止のためだろうが、そうした厳罰化では根本的な解決にならないとの疑問の声も出ている。

 背景にあるのは、外食チェーン店やコンビニなどでの人手不足だ。本来は教育係の社員とアルバイトが一緒に店を運営するが、アルバイトだけに任せる時間帯が生じる現状があるという。

 企業側はアルバイトへの教育などに努めているというが、十分といえるのか。

 問題の動画が投稿されるのは、非正規従業員やアルバイトが大半を占める業態に多い。専門家からは、低い賃金や労働条件などへの不満が底流にあるとして、再発防止にはこれらの改善が必要との指摘がある。

 悪ふざけ動画の破壊力から「バイトテロ」とも呼ばれ、決して許される行為ではない。そう自覚した上で、企業とともに、投稿した本人も大きな痛手を被ることを、若者たちに分かってもらいたい。