全国知事会は、自治体が新型コロナウイルス対策に充てる総額3兆円の地方創生臨時交付金について、47都道府県の不足額が6134億円に上ると公表した。国に本年度内の増額と来年度以降の交付継続を求めている。

 コロナ感染の収束は見通せず、直近では、1日当たりの国内の感染者数が8月以来となる千人を超えた。さらなる感染拡大を防ぐためにも、感染対策の前面に立つ都道府県の訴えを政府は重く受け止めるべきだ。

 知事会の調査によると、臨時交付金の不足額は8月時点では約5千億円だったが、10月になるとさらに1千億円以上増えた。各自治体は、休業要請に応じた事業者への協力金や中小事業者への支援金として使ってきたが、今後も企業の資金繰り対策などに出費が見込まれるためという。

 感染再燃を防ぎつつ、落ち込んだ地域経済を支えるのに不可欠との判断だろう。

 国への緊急提言は、新型コロナ特別措置法の改正も求めている。

 特措法は、知事に休業要請の権限を認める一方で補償に関する規定がなく、知事会は「要請と補償はセットで」と主張してきた。

 実際、要請に応じた事業者への協力金は自治体の財政力によってばらつき、「地域格差」が生まれている。事業者間に不公平感が広がり、感染対策上の支障となりかねない。

 政府の観光支援策「Go To トラベル」の拡大もあり、感染の地方拡散が危惧されている。北海道では、5日に1日当たりの感染者数が初めて100人を超え、繁華街の飲食店に対して時短営業を要請する方向だ。

 休業要請にどう実効性を持たせるのか。知事会が罰則規定も求めている特措法の見直しへの議論が必要だ。

 冬本番を控えて、季節性インフルエンザとの同時流行が懸念されている。

 医療機関の防護対策や、政府が目標とする1日20万件のPCR検査体制の確保などの備えが要る。

 知事会の会合では「自治体が早めに手だてを講じるには財源の裏付けが必要だ」などの声が上がった。政府には、各地域の実情に応じた施策への財政支援が求められる。

 コロナ禍の克服では、感染拡大防止と経済活動の両立という難しいかじ取りが迫られる。長期的な視点に立ち、国と地方が協調して対策に当たることが欠かせない。