香川県三豊市の養鶏場で3800羽の鶏が相次ぎ死んでいるのが見つかり、強毒性で大量死につながる高病原性鳥インフルエンザが確認された。

 国内の養鶏場での感染は、2018年1月に同県さぬき市で確認されて以来約3年ぶりである。

 鳥インフルエンザの主な感染源は渡り鳥とみられており、飛来する全国で警戒が必要だ。国と都道府県が中心となり、感染防止に手を尽くしてほしい。

 香川県は、現場の養鶏場で飼育していた33万羽の殺処分を始め、10キロ圏内の農場115戸や周辺を出入りする車の消毒に当たっている。鶏や卵についても、3キロ圏内を移動制限、3~10キロ圏を域外への搬出制限の区域に指定した。

 同県は18年の感染発生時、県庁内だけで情報を共有し、広報や国との連携でもたつきが指摘された。教訓を踏まえて改定したマニュアルに沿い、迅速な初動対応が図られたようだ。

 感染への警戒は、渡り鳥の飛来の本格化とともに強化が必要だ。10月には、北海道や韓国で野鳥のふんから高病原性鳥インフルエンザのウイルスが検出されていた。

 今回確認された養鶏場は、感染防止策として窓のない密閉型の鶏舎にし、経営者は「消毒もきちんとしていたのに」と話している。

 ただ、ネズミのような小動物がわずかな隙間から入って媒介したり、人の出入りで靴底に付いたウイルスから感染したりする恐れもあるという。

 全国の養鶏農家は、防鳥ネットや施設に傷み、ほころびがないかこまめに点検し、消毒もより徹底する必要があろう。

 国内での感染確認を受け、農林水産省は全都道府県に早期発見と通報の徹底を改めて通知。原因究明のための疫学調査チームを現地へ派遣する。県や専門家らと連携し、感染経路の分析と有効な対応策作りに生かしてほしい。

 京都では04年に丹波町(現京丹波町)で国内初の大規模感染が確認され、対応が後手に回った苦い経験がある。各府県は緊急会議で備えの徹底を呼び掛けており、農家への情報提供と支援を強めたい。

 消費者側も冷静な対応が求められる。感染確認後すぐに周辺の鶏や卵の移動は制限され、平時でも出荷前に洗浄、消毒済みという。

 国内で人への感染例はない。海外では鳥を扱う濃厚接触者に感染例はあるが、まれだ。正しい知識を広めて感染防護に万全を期すと同時に、風評被害を防ぎたい。