木を燃やした室内で煙がたまっていく状況を確認する参加者たち(京都市南区・市消防活動総合センター)

木を燃やした室内で煙がたまっていく状況を確認する参加者たち(京都市南区・市消防活動総合センター)

 京都市消防局は、昨年7月の京都アニメーション第1スタジオ放火殺人事件を受けて策定した「火災から命を守る避難の指針」を解説する動画を作成した。日頃の備えでは対処できない大規模火災に遭った時に取るべき行動を、映像を通じて分かりやすく伝える狙いがある。9日は企業の担当者が参加し、動画を参考にした避難訓練が行われた。

 第1スタジオは法基準を満たし、避難訓練を行っていたにもかかわらず、ガソリンが放火に使われたため煙が急激にまん延し、死者36人を出す大惨事となった。市消防局は事件を教訓に3月、「危機的状況では命を守ることを第一に考える」という点を最重視して指針を策定した。

 動画は約14分で同局のホームページで公開している。同局の職員が出演し、危険レベルに分けて避難行動を実演。壁と床の隅に残る空気を吸いつつ四つんばいで逃げたり、服に燃え移った火を消したりする方法に加え、2階からの飛び降り方などリスクを冒してでも脱出する方法を示している。

 南区の市消防活動総合センターで行われた訓練には、同区内の44事業所から防火管理者約70人が参加した。動画を視聴した後、実際に木を燃やして濃煙を充満させた部屋から身を低くして逃げる避難行動を体験した。南消防署員の指導で、手すりにぶら下がって上階から飛び降りる方法も学んだ。

 参加者の男性(51)は「煙の怖さを実感した。社員全員で共有したい」と話した。