耐震補強工事後の祇園甲部歌舞練場の完成予想イメージ。劇場の本館(右の大屋根の建物)の内部を鉄骨フレームで補強し、外観は維持する=祇園甲部歌舞会提供

耐震補強工事後の祇園甲部歌舞練場の完成予想イメージ。劇場の本館(右の大屋根の建物)の内部を鉄骨フレームで補強し、外観は維持する=祇園甲部歌舞会提供

 「都をどり」の会場として知られる「祇園甲部歌舞練場」(京都市東山区)を来年から耐震改修すると16日、祇園甲部歌舞会が発表した。強い地震で倒壊の恐れがあるとして長期休館中で、2022年春の「都をどり」での再開場を目指す。よりよい劇場とするため、市民や企業から寄付を募る。

 大正時代に建てられた木造建築の同歌舞練場は、2014年に行った耐震診断で、震度6強の地震で倒壊の恐れがあると判明、16年10月から休館している。同歌舞会などは建て替えを含めて検討を進めてきたが、和風建築の本館内外観を維持して耐震補強することを決め、今年8月に基本設計を終えた。
 計画では、本館の劇場本体を鉄骨フレームで覆い、構造を補強する。あわせて北側に接する芸舞妓の技芸学校を解体し、歌舞練場の北東側に新築移転。隣接する弥栄会館にある「ギオンコーナー」も学校棟内に移設する。
 来年1月から準備工事に入り、同8月には耐震改修に着手。21年11月の完成を予定する。総事業費53億円を見込み、都をどりの収益や家賃収入などの自己資金と、金融機関からの借り入れでまかなう計画。22年以降に弥栄会館で開業見通しの帝国ホテル(東京都)からの賃料も工費に充てる。
 16日の会見で、祇園甲部歌舞会の太田紀美取締は「一日も早く完成させ、多くの皆さまに再び歌舞練場で祇園町の芸舞妓の伎芸を楽しんでいただきたい。多くの方のご支援、ご協力を賜りたい」と訴えた。
 寄付金は、花街文化の保存・継承を支援する京都伝統伎芸振興財団(おおきに財団)が窓口を務め、同財団のホームページに17日から専用のコーナーを設ける。金額は一口1万円~百万円で、総額5億円を目標に協力を呼び掛け、バリアフリー化など劇場環境の向上につながる工事に役立てる予定。
 同財団の立石義雄理事長は「花街文化と伝統伎芸の保存継承を図っていく上で、歌舞練場は不可欠。全面的に協力したい」と話した。