強風で傾き傷んだナス(京都府長岡京市今里)

強風で傾き傷んだナス(京都府長岡京市今里)

 繰り返される自然災害で大規模な農業被害が毎年発生する中、全国農業共済組合連合会が来年1月から、農家向け収入保険制度をスタートさせる。従来の農業共済制度と異なり野菜や果樹などを幅広く補償する保険で、10月1日から加入申請を受け付ける。京都府も災害の備えとして農家に加入呼び掛けを強めている。

 京都府内では今年、西日本豪雨や台風により農作物の倒壊や農地の浸水、ビニールハウスの全壊など、すでに計123億円の農林水産被害が発生。過去の主な災害の被害額は2017年度70億円(台風18、21号)、14年度43億円(8月豪雨)、13年度98億円(台風18号)などとなっている。

 被災農家は、府や市町村の補助制度に加え、農業共済制度に加入していれば一定の補償を受けられるが、共済制度が対象とする農作物は米や麦、大豆、ナシなどに限られていた。

 新たな収入保険は、野菜や果樹だけでなく、干し柿など簡単な加工品や花まで農家が生産、販売するすべての農作物の被害をカバーする。自然災害や鳥獣害による収量減や倉庫浸水に伴う商品廃棄などにより、農業収入が過去5年間の平均額に比べ1割以上減った場合、最大で減収額の9割までを保険金と積立金で補填(ほてん)する。

 加入できるのは確定申告で青色申告の農家。例えば1千万円の農業収入がある場合、農家が毎年支払うのは保険料7万8千円と事務費2万2千円。初年度は積立金22万5千円が必要となる。積立金と事務費は国も一部支出する。

 収入保険では、市場価格の下落や取引先の倒産、けがや病気で収穫できなかった場合に加え、為替変動による損害も補填対象となる。府農業共済組合は「これまで共済に入っていなかった露地栽培や花、お茶などの農家も転ばぬ先のつえとして利用してほしい」と話す。一方、収入保険ではビニールハウスなどの施設被害は補償されない。府農産課は「農家の経営を守るためにも保険と共済の活用を」と求めている。