秋篠宮さまの「立皇嗣(りっこうし)の礼」が終了した。昨年4月の天皇退位から続く代替わりの儀式の締めくくりである。

 政府はこれを受けて、先延ばしになっている安定的な皇位継承策の検討に着手する方針だったが、またも結論提示の見送り論が広がっているという。

 皇室典範は父方が天皇の血筋を引く男系男子が皇位を継ぐと定め、女性と、母方に血筋がある女系は認めていない。

 有資格者は現在、秋篠宮さま(54)、秋篠宮さまの長男悠仁さま(14)、上皇さまの弟常陸宮さま(84)の3人にとどまる。

 次世代に限れば、悠仁さま1人が皇室の将来を背負う形となっており、男系維持は厳しい。

 安定した継承のためには、これ以上、問題を先送りできない。国民の総意を見極め、現実的な議論を早急に進めるべきだ。

 2017年6月の退位特例法は付帯決議で、政府に対し皇位継承策などについて退位後の「速やかな検討」を求めた。

 各種世論調査では、女性・女系にも継承資格を広げる意見が多数を占め、共同通信が今春実施した調査では女性天皇賛成が85%、女系天皇賛成が79%に上った。

 一方、自民党内などの保守派には男系維持を前面に掲げ、旧宮家の男子を養子にして皇族復帰させる意見が浮上している。

 官邸内では、意見集約の難しさから「悠仁さまに男子が生まれるかどうかを見極められるまで結論は出せない」と棚上げ論が広がっているというが、これでは政府の責任放棄ではないか。皇室の在り方を検討するのは、政府と国会の重要な役割であるはずだ。

 皇族数の減少対策として、女性皇族が結婚後も皇室に残れるようにする女性宮家を認めるかも焦点の一つだ。

 だが、ここでも保守派の反対論は強い。女性宮家で生まれた子は男子であっても「女系」になり、女系天皇誕生の布石になり得るからだ。

 女性宮家の創設は、公務の担い手不足を補うだけでなく、将来的に女性天皇や女系天皇が容認された時に候補者がいない事態を防ぐ意味もある。避けて通れない論点だろう。

 河野太郎行政改革担当相や自民党の二階俊博幹事長は男系にこだわらない考え方を示しており、与党内にもさまざまな意見がある。

 憲法は、天皇の地位は国民の総意に基づくと規定する。国民的議論を前に進めたい。