戦争の記憶を今に伝える軍服や日章旗が並ぶ企画展(南丹市日吉町・市日吉町郷土資料館)

戦争の記憶を今に伝える軍服や日章旗が並ぶ企画展(南丹市日吉町・市日吉町郷土資料館)

 京都府南丹市日吉町の市日吉町郷土資料館で企画展「戦後75年-いま伝えたいこと-」が開かれている。読まれる前に亡くなった戦地の息子への手紙や、満蒙開拓青少年義勇軍の少年が家族に宛てたはがきなどが、戦時の記憶を今に伝える。

 市内の戦争体験者や遺族らから寄せられた約100点が並ぶ。

 日吉町から大陸の戦地に赴いた息子に宛てた手紙で父は、軍の下級幹部にあたる下士官になろうとする心情に寄り添いつつも、家を継ぐ長男として志願はやめてほしいとつづる。軍での活躍ぶりを上官を通じて知った父は、家族の喜びを伝えようと、もう1通をしたためたが、発送直後に息子は亡くなり、読まれないままだったという挿話をパネルで紹介している。

 満蒙開拓青少年義勇軍に応募した市出身の16歳の男性が農作業に汗する日々を伝えるはがきや、活躍や無事を願って知人らが名前を寄せ書きした日章旗、日吉町の多治神社で撮影された出征時の写真、丹波地域に落ちた爆弾の破片なども展示されている。酷寒のシベリアで重労働に従事させられた抑留についてつづった京都府京丹波町の男性の手記も読める。

 資料館の縣田(かただ)真弓さん(62)は「体験者が高齢化する中、伝える難しさを感じながらも、若い世代などに伝えたい思いを展示に込めた。当時の気持ちをくんでほしい」と話す。12月20日まで。火・水曜休館。大人200円。