大津地裁

大津地裁

 放置自転車を使用したとして、占有離脱物横領罪で起訴された無職男性(51)に対し、大津地裁(齊藤隆広裁判官)が無罪判決(求刑罰金10万円)を言い渡し、11日に判決が確定したことが分かった。地裁は使用は一時的だったなどとし、「自己の所有物として利用する意思があったとは認められない」とした。判決は10月27日付で、検察側は控訴しなかった。

 判決によると、男性は滋賀県東近江市の公園で生活していた6月初旬、近くのトンネル管理室の軒下で盗難車だった無施錠の自転車を見つけた。数日間放置されていたため、同10日ごろと17日、約670メートル先の電話ボックスへの移動に使った。電話ボックスには、男性を支援する滋賀県地域生活定着支援センターの職員が月に数回、手紙や食料を届けていたという。

 検察側は、男性には自転車を自分の物として継続して使う意思があったなどとして同罪の成立を主張。一方、地裁は、移動時間は10分程度と短く、男性が使用後に鍵をさした状態で不特定多数の人が通る元の場所に戻した点などから、「返還意思を持って一時的に使用したとみるほかない」などとして退けた。

 弁護人によると、男性は滋賀県警東近江署に6月17日に逮捕されて以降、判決までの約4カ月間勾留されていたといい、「捜査機関が具体的に自転車の使用状況などを調べずに逮捕、起訴した結果で、社会復帰の機会を遅らせた」とし、刑事補償法に基づく補償金を請求する方針。

 大津地検の山上真由美次席検事は「関係証拠を精査するなどした結果、控訴しないこととした」とのコメントを出した。