スマートフォンのアプリを使った京都府の「緊急連絡サービス」の画面。利用者は伸びているものの、通知したケースはいまだゼロだ

スマートフォンのアプリを使った京都府の「緊急連絡サービス」の画面。利用者は伸びているものの、通知したケースはいまだゼロだ

 新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、京都府がスマートフォンの位置情報アプリを活用し、感染者と同じ施設や店舗を利用した人にメールで注意喚起する「緊急連絡サービス」を始めて4カ月が過ぎた。利用者数や対象施設は順調に増えている一方、これまで実際にメールが送信されたケースはないという。基準を満たす発生事案が限られているのに加え、利用者が訪問先で毎回、スマホを操作する手間が要因になっているとみられる。

■利用者増も「活用」課題

 位置情報アプリは「こことろ」で、一般社団法人京都位置情報活用協議会がスタンプラリーなどのイベントに用いるため開発した。府はシステムの一部改修のみで経費が抑えられるなどの理由から、アプリを活用した緊急連絡サービスを7月に開始した。

 サービスでは、無料ダウンロードしたアプリを起動し、地図上に表示された対象施設を押してチェックインする。同じ日に施設にいた人が感染していた場合、事前登録したメールアドレスに保健所への相談などを促すメールが届く。

 同協議会によると、利用者は4カ月間で約2万6千人に増加。対象施設・店舗は飲食店紹介サイト「ぐるなび」と連携して約1万5千カ所からスタートし、現在は約1万7千カ所まで拡大している。

 しかし、府が注意を呼び掛けるメールを送信した事例はまだない。サービスでは、施設や店舗でクラスター(感染者集団)が発生するなど一定の基準に基づいて通知する。基準を満たす事案は現在、週1、2回に限られているという。

 また、利用者には施設などを訪れる度にスマホを操作してチェックインしてもらう必要がある。チェックイン数は毎日延べ約200回程度にとどまっており、利用者数と比べて格段に少ない。発生事案があっても対象施設でのチェックインがなく、通知まで至らないのが現状だ。

 府コロナ対策本部は「まだアプリの機能を生かしきれていない」と認めつつ、「もっと利用者に積極的にチェックインしてもらえるよう改善策を考え、感染予防につなげたい」としている。