伊根町の伊根浦地区一帯を運行する2台の電動小型車(同町平田)

伊根町の伊根浦地区一帯を運行する2台の電動小型車(同町平田)

 京都府と伊根町は1日から、電動小型車を住民の生活の足や観光に生かす有料の実証実験を同町の伊根浦地区一帯で始める。同地区は舟屋群の景観で知られるが、道幅が狭いことなどから、観光客や高齢者の移動手段の確保が課題となっていた。町は利用者にアンケートをし、観光や地域事情に応じた交通手段の導入を検討する。

 府と町は昨年7月20日から1カ月間、同様の試験運行を無料で実施。約570人が利用し「ゆっくり景色が見られた」「低速で安心」などの好意的な意見が多かったという。

 今回は車両の維持費用などを踏まえた本格的な導入を見据え、有料で行う。ヤマハ発動機(静岡県)から4人乗りと6人乗り(いずれも運転手を含む)の車両を計2台借り、講習を受けた地域住民10人が運転する。車両はバッテリー充電式で最高速度は19キロ。排気ガスが出ず騒音も少ないという。

 平日は主に町民向けに予約制(デマンド)で運行する。自動車部品メーカーのデンソー(愛知県)が10世帯に貸与した専用タブレット端末で目的地や乗車時刻、人数などを入力し、伊根診療所(同町日出)から亀山集会所(同町亀島)を結ぶ。土日祝日は同地区の観光施設などを巡る定期便が走る。

 府交通政策課は「有料の実証実験は全国で初めて。実験結果は公共交通の空白地を支援する提案材料の一つになる」と期待する。

 運行は30日まで。料金は町民300円、町外の人は500円など。キャッシュレスで決済もできる。運行に関する問い合わせは町観光協会0772(32)0277。