御堂に収められた地蔵。山下さんが営む飲食店の敷地内に安置され、入魂式が営まれた(栗東市御園)

御堂に収められた地蔵。山下さんが営む飲食店の敷地内に安置され、入魂式が営まれた(栗東市御園)

 滋賀県栗東市御園で5月、金勝小3年山下諄(しゅん)君=当時(8)=が死亡した交通事故を受け、遺族の友人らが寄付金を募り作っていた地蔵が完成し、入魂式が営まれた。諄君を悼み、事故の根絶を願う160人以上の寄付者らの思いが一つとなった地蔵が、現場近くに安置された。

 事故は5月20日昼に発生。諄君は母康子さん(42)が営む飲食店を訪れる途中、横断歩道を横断中にダンプカーにはねられた。地蔵建立は、康子さんの友人の伊藤恵理さん(35)が中心となって7月中旬から知人らに呼び掛けた。地域住民や飲食店の客のほか、小遣いから寄付した児童もいたといい、約100万円が集まった。

 宮城県の業者に制作を依頼。「皆に愛されるお地蔵に」(康子さん)と、優しい表情をしたかわいらしいデザインを選んだ。交通事故撲滅への思いを込め、背面に「願」「祈」の文字を刻んだ。

 この日地蔵が到着し、飲食店敷地内に設けた御堂(みどう)に収められた。入魂式は住民や遺族ら約20人が参列。ジュースや菓子を供え、僧侶の読経後、順々に手を合わせた。

 伊藤さんは「予想の約4倍の額が集まり、多くの人の心に残る悲惨な事故だったと改めて感じた」と振り返り、「手を合わせる場ができることで、諄君の友達らの癒やしにもつながれば」と願った。設置費以外の残金は花代や御堂の修繕費に使うという。

 康子さんと夫の誠さん(52)は「『悲しい事故がなくなるように』との皆の願いが集まったお地蔵。運転中に目にしたドライバーが、安全を意識するきっかけになれば」と話した。